「チーム医療の有用性を段階的に実感する他施設協働参加型学習」

1.低学年のInterProfessional Education(IPE:多職種連携教育)の医学入門に参加して

2017年10月18日(水)、 医学入門が名古屋大学医学部の1年次を対象に実施されました。本授業は、映画や文学を医学教育に利用して、「病いの経験が持つ意味や患者への共感」について、医師(医療人)に求められる人間性や社会的責任について学習することを目標としています。医学教育方法の一つである映画を用いたシネメデュケーションを取り入れた医学入門では「地域における医師の役割」をテーマに実施されました。この講義のスケジュールを表1に示しました。今年度は、名城大学薬学部の教員と2年次学生8名が、全スケジュールに参加できませんでしたが、事前に教材となる映画を鑑賞してから、グループ発表に参加しました。

表1.授業のスケジュールと内容
時 間 授業内容
1限目 導入講義、オリエンテーション・IPEと地域医療
iPEG(説明・ゲーム)
振り返り
2限目 映画鑑賞
作業説明
3限目 グループワーク:「地域における医師の役割について」
4限目 発表(8分/G)
参加した薬学生
グループ発表の様子

参加した薬学生のアンケート調査から、①今回のIPEにおいて、「他の医療職と連携した場合やグループワークした場合に大学での講義・実習は役立つ」、②今回のIPEは「5年次の病院/薬局実習や将来の仕事に役立つ」と85%以上の学生が回答しました。今回のように一部分に参加しただけでしたが、シネメデュケーションを活用した教育に薬学生は大変興味を持ち、医学生のグループ発表では「病い」が人々の人生に与える影響や地域医療における医師の考え方について興味深く聴き入っており、積極的に質問していました。来年度は、導入講義から参加できるように日程調整していき、シネメデュケーションを薬学教育にも生かしていきたいと考えております。